「育てにくい子」と共に生きる

発達障害の長男と共にたくましく生きていくため、日常をつづりたいと思います。

息子、恫喝される

発達障害は見た目では解らない場合が多いです。車いすに乗っている方に「道を塞いで迷惑だ」と言う人はまず滅多に居ないでしょう。居たとしても、余程モラルの無い人です。でも、うちの息子が騒ぐと、迷惑そうな顔で見られたり、「我こそはモラリスト」みたいな人に直接注意されることもあります。

今年の夏、家族で工場見学に行きました。その工場は事前に同じ時刻の見学会を申し込んだ20人ぐらいが1グループになって見学するシステムでした。息子は広い施設で走り回ったり、案内の方が話している途中で大きな声で質問をしたりしました。当然、やめるように言いましたが、興奮していたのか2,3回繰り返してしまいました。

迷惑だと思ったのでしょう、グループの中の一人の男性が「いい加減にしなさいっ!」と息子に怒鳴りつけました。息子はへらへらしてその場を離れましたが、私は「ごめんなさいね。生まれつきの障害があって。」と謝りました。連れの女性が「ほら、だから言ったじゃない」と小声で男性に言いながら二人はその場を離れていきました。男性は憮然とした様子でした。

多分、息子の行動に対して私達親の態度が甘すぎる、厳しくないから子供が言うことを聞かないんだ、俺が言ってやる、と思ったのでしょう。でも怒鳴っても無駄、むしろ逆効果のことが多いのです。迷惑をかけたのは申し訳ないけど、頭ごなしに怒鳴りつけるのはやめて欲しかった。そして、私の返答に対して何も言わずに憮然と去っていくぐらいなら、いっそのこと反論して欲しかった。もっと会話を重ねることで理解し合えたかもしれないのに。ただ、私の言葉は相手を「障害者に恫喝した悪者」に仕立ててしまったかもしれません。それ以上、何も言えない、かな。